僕(市川しんぺー)は40過ぎて運転免許を取得したんですね。その際に、助手席に座った同年代っぽい教官から「もう40ですか。俺はこの歳で新しい事を始めるのは無理だなあ」って言われたんです。その時は、感心しているふりをして馬鹿にしてやがんなと思いつつヘラヘラと笑ってやり過ごしたのを今でも覚えてます。
今回、最初は空いた期間を埋めるために軽いイベントでもやりたいなという気持ちだったんですが、永井さんを誘った辺りから、演劇をやろう、大阪公演をやろう、から始まり、作演出までやる事になりました。
初めての事だらけです。
あの時の教官なら、感心の言葉を吐きながら冷ややかな眼でこう思うのだと思います。
よせばいいのに。
僕も思いますもの。
60になりました。還暦という事で、一度子どもに還るのだと言われています。僕は事ある毎に、40で人間としての物心がついた、と発言してきました。そう考えると二十歳。成人の歳です。今は18らしいですけど。
新しい事をやってみても良いのかなと思いました
勿論、青年団の永井秀樹さんという、頼りになる共演者との運命的な再会に、大いに背中を押されました。
演劇的育ちのまるで違う二人で二人芝居をやります。
出会う筈の無かったオジサン二人が織りなすあれこれを周りの人々も含めて二人で演じながら、皆様に行く末を案じて頂くような物語になる予定です。
「よせばいいのに」
そう思いつつで良いので、是非、劇場に足をお運びください。
ひとまずはこの公演の事だけ。その先は考えていません。
因みに、免許を取得して以来、完璧なペーパードライバーです。
蛇足ですが、物語の内容も決まっていない時の、最初の仮タイトルは「演劇なんて ララ ララララ ララ」でした。
市川しんぺー